「残響封印匣〜あるいは正当なる【傲慢】の誘惑と記憶〜」
上昇墜落学を語る男:
「飛翔することことは空に向かって墜落することだ」
「死後の上昇は地に墜落して生まれることだ」
岸田理生 戯曲「ちのみごぞうし」より
怪しい私設博物学収蔵庫「驚異の部屋(ヴンダーカンマー)」で、岩肌と見紛う古壁崩落に伴い、奥に深く埋もれた品が発見された匣。
これは「収蔵リスト」に記銘はあれど、強筆圧の極太二重線で消され、所在を完全否定されたモノだ。
七つの大罪のうち最も重い【傲慢】に堕した天使らは、神に粛正されてきた。
だが討伐された彼等の不遜なる哄笑と反逆の絶叫は、幾度浄め鎮めても意味不明の囁きとなり泥から噴き出し這いずり流れてやまず、
永の歳月を経て何故かそれらは、この匣の形に凝り、固化の後ようやく、仮の静謐を得た。
さて貴方は、匣に否応無く誘われよ、美しきその内部に身を横たえてみよ。
得た眠りは底無しに深く甘く、夢には鋭い鉄棘が突き刺さる。
そして存分に、蒼穹天空に向かい堕ち続けて、傲岸なる飛翔の恍惚に酔い痴れよう。
反逆者の特権として神の怒りの鞭を潔く受けよ。それすらも快楽となるはず。
討たれし死後の罰は穢土地表への「上昇」。
傲岸不遜の報いとして貴方は
取るに足らぬちっぽけなヒトの器に堕ち閉じ込められ、足掻けども虚しく、やがて骨灰塵芥と化し魂ごと消滅するのだ。
そんな恐怖落差を堪能してなお嗤い狂え。
堕天と昇天、破壊と再生の有様が全く同じに永久に繰り返す、ただ繰り返すばかりなこの罪業の檻に囚われて、ただ無心に平明に祈るがいい。
今度こそ、今度こそ、
ここより解き放たれんことを、と。
匣とはいつか、緩んで崩れて溶け、壊れるものなのだから…」
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35cmぐらいのお人形が入ります。
お人形の収納&ディスプレイ匣としてお使いいただけます✝️
<素材>
厚紙(カルトン)、木材、粘土、樹脂製装飾材、アクリルパネル、金属鋲、金属シート、布、レース他
<サイズ>
本体(上蓋+下部本体)・・高さ:20cm、縦:53cm、最大横幅:29cm
下部の内サイズ(人形を入れるスペースのサイズ)・・長さ40cm 最大横幅約18cm
※会期終了後の5月22日以降の発送となります。
※光源やモニターの画面による多少の色の違いはご考慮願います。